第18回 あるホテルのマネージャーさんの話

最近、「マスカレード・ホテル」という映画、公開されましたね。映画はまだ見てないですが、東野圭吾のあの小説、大好きなんです。

それは置いておいて。先日、知り合いのホテル関係者から、面白い話を聞きました。
相手は、シングル中心の外資系エコノミークラス・ホテルチェーンのマネージャーさんでした。こんな話をしました。

菊地「高級ホテルとかで働きたいと思わないんですか?」
マネージャーさん「以前は高級と言われるホテルにいたけど、もう絶対、戻りたいとは思わないね。これは、働いたことのある人しか理解できないかもな~」

彼の言う話をまとめるとこんな感じでした。

<高級ホテル(1泊3万~5万円程度)>
・本当のお金持ちはラグジュアリーホテルという最高級グレードのホテルに行く
・この価格帯の高級ホテルには、本当のお金持ちの宿泊客はそんなに来ない
・なんでも要望は叶えてもらえると思っているお客や、ストレスフルな日常から解放されたい庶民層も多い。だからサービスに不満があると「高級ホテルでこのざまか!」と大クレームになる(本当のお金持ちは温厚で不満があってもエスカレートしない)
・要望の種類は、ひとりひとり異なる。納得するレベルも人それぞれである
・そんな要望にできる限り対応しないとクレームになり、SNSに投稿される
・不満を生まないため、あるいは不満に対応する管理コストがむちゃくちゃ掛かるので、働いている人の給与は高いわけではない

<シングル中心のエコノミーホテルチェーン(1泊1万円以下)>
・出張で泊まるビジネス客(経営者じゃなくてサラリーマン)が大半である
・宿泊客の多くは「この程度の価格ならこの程度のサービスだろう」と理解して泊まっている
・多少こちらに不手際が発生しても、ビジネス客は感情的にならない
・宿泊客が求めることがほぼ均一なので、業務がパターン化でき、1ホテル1名正社員がいれば、あとはそれ以外で回せる
・管理費が少なくて済むので、給与はそんなに悪いわけでもない
・わきまえている宿泊客が多いから、働いていてストレスが少ないのが何よりハッピー!

「顧客を選ぶ重要性」はよく言われていますが、こんなにわかりやすい例は、なかなか聞いたことがありませんでした。

要望は、時代とともに変化していく。
時代に的確に適応し、どんな要望を持った、どんな顧客に応えていくか?
これからも、それらを徹底して考え、徹底して経営で実践していきたいです。

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