第84回 就職後3年で30%確率で新人が退職する理由の分析と対策を考える

最近問題になっている事に学校を卒業して、3年以内で退職する人の確率が約30%との現実があります。

あまり大きな問題とはなっていませんが、今後の日本経済にとって大きな問題と私は感じております。

このような退職確率がこのまま増加していくか?減少していくか、皆様どう考えます??

今回はその分析と行動をSE的に行ってみようと思います。

先ずはその原因分析をしてみたいと思います。
考えられる要因としては下記のような事が考えられます。

  1. 根性論=最近の若者は我慢を知らない。仕事がちょっと厳しいだけですぐ辞めてしまうのではとの意見。
  2. 実力論=そもそも社会人になれるレベルでない事を判っているのに、学校側はそれも指摘せず卒業させてしまうから、当然すぐに退職に向かうとの意見。
  3. 青い鳥理論=自分の将来の夢と現実に就職した会社ではギャップが大きすぎて、すぐにこれは違うのでと考え、退職するのではとの意見。
  4. さぼり理論=最近の若者は自己形成のベースに「働きたくない+でもお金はほしい」が潜在的にあるので仕事が長続きしないとの意見。潜在意識=「親を頼って生きて行く哲学」
  5. メンタル理論=いつもビクビクして生きており、すぐに病気になってしまうメンタル面の問題が大きいとの意見。

等の意見があると思います。

今後もこのような傾向が続きますか?との問いの答は私的には「YES」です。

人間は馬鹿ではないし、全員ではないがほとんどの人は「環境に順応して生きていく」と頭では考えますが、実行は結構難しいのです。

そして何よりまずいのが、国も地方自治体もしっかり原因分析していないし、対策を何もしていません。

これではまずいので、SE的分析をしてみます。

まず上記1から5のどの理論が一番大きな原因なのでしょうか?

上記の理論で一番悲劇的な理論でもあり、最も現実的な理由は2:実力論と私は考えます。

野球に例えると、ロクに実力も無いのにバッターボックスに立っても、打てる訳がありません。
学生時代にある程度の実力を構築しておかなければならないのです。
就活直前まで遊びボケていて、やっと就職できても、やはり社会は甘くなく、すぐに嫌になって退職一直線になってしまいます。

仕事も同様で、すぐに実力は付きませんがキャリアと共に、実力をUPさせねばなりません。
そうでないと新人に限らず、不況期では「非正規社員へ」か「リストラへ」の方向性が決定づけられます。ある面必然的方向性なのです。

「仕事の実力Up」は定年で退職するまでの永遠の課題と心すべきです。

最近の若者は職に就く事が最終目標を勘違いしている方が多いようです。
何度も何度もトライして、やっと就職の合格通知GETという現実からして、致し方ない事かも知れません。
同情の余地は十分あります。

しかし就職する事は最終目標ではなく、スタートであると十分意識する事です。
そういう考え方をしないと、就職後ホッとするあまり、気を抜いてしまう場合が良く発生します。
気を抜いて失敗する⇒先輩から叱られる⇒落ち込む⇒上記5:メンタル理論発展⇒退職の方程式も十分考えられます。

失敗する⇒先輩から叱られる⇒自分で対策考える⇒先輩に相談して、自分の考えを伝える⇒先輩・上司の同意を得る(勝手な独善的考え方をしない)⇒問題クリア⇒また別件で失敗する
~~で何度もこのサイクルを回し、クリア項目をドンドン増やす事が重要と考えます。

ここでのキーワ-ドが「独善的自分勝手考え」です。
先ず自分で考える事は重要ですが、プラスご両親・先輩・上司の意見を求めることこそ重要なのです。
そうすれば、自分の考えの保険や応援団にもなります。

誰でも新人時代は失敗の連続です。でも成功者とダメ人間に将来的には大きく分類されてしまいます。
その原因は「独善的自分勝手考え」なのです。
他者の裏づけのないこの「独善的自分勝手考え」こそ、不幸行特急列車なので決して乗車してはいけません。

次にではどうすればを提案したいと思います。

話はずれますが、最近読んだ本に成功者は「運・鈍・根」が重要と書いてありました。
運=文字通り「運」、「根」=文字通り「根気・根性」、さて難しいのは「鈍」。
何だと思いますか?

「鈍」=鈍くさい、愚鈍との文字にも入っている通り、「馬鹿」的意味合いがあります。
人間は自分が頭が良いと判断すると他人から学びません。逆に自分が馬鹿者であると考えると、他人を観察して良い事は盗み取ろう努力しようと考えます。
この行為こそ重要なのです。

「自分では心底馬鹿だと信じているが、他人から見ると一目置かれる賢者」が成功者の一因なのです。

<提案行動>

  1. 先輩からいつも馬鹿と言われるような環境を作り、その馬鹿内容を聞き、メモする。社会常識等の注意も多いと思うので、詳細にメモする。そしてその対策を練る。
  2. 「石の上にも3年」で3年経ったから辞めようではなく、その判断を先輩・上司にも委ねる。退職せよが過半数であれば、自分からポジティブに辞職する。
  3. 就職自体がミスマッチだった時は1年以内に即辞職するか、5年間辛抱決定なら残留し5年後再検討で、それでもダメなら、その時もポジティブに辞める。
  4. 先輩からきつい&厳しい意見を言われたら、教育の為か、辞職勧告かを先輩・上司に聞く。
  5. 今まで勉強しない、本読まない環境だったので、それを挽回する意味で今までの2-3倍の努力をする。実行出来ないなら、ポジティブに辞める。
  6. 意思決定3年から5年へ変更する。(ゆとり世代で育ったので、判断期間を延ばす)
  7. 一人前ではないので謙虚に給料の額に関しては一切発言しない。
    (権利と義務の理論で、先ずは「権利優先ではなく、義務優先」)

以上、キーワードは最終結論が「退職」でも「ポジティブな退職」を心掛ける事が大切です。

絶対に、将来に対して「ネガティブな退職」だけはなるべく避ける事です。

将来に対して、ポジティブさを保持していれば、明るい将来はあるし、その逆は「地獄行き」かもしれません。

また履歴書に3回以上の「一身上の都合で退職」も絶対にしてはいけない行為です。

そのような履歴書では次の就職先の書類選考レベルでカットされます。

同時に転職ごとにレベルアップしていく方はごく少数で、だんだん企業レベルをダウンして職を探すというあまりお勧めしない方向性に陥ります。

是非とも、就職時も退職時も慎重に考えてから、意思決定してください。

就職時も「取りあえずどこでも入社出来れば理論」は最悪です。

参考になったかどうかは別として、私見をつらつらと書きました。

お怒りの方はご容赦を!!

今回の問題提起の改革結論は「人間教育」「教育改革」「大学改革」であると考えます。
間違いないよ!!


発言者:SE_Y

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