第93回 当社的_TW(テレワーク)実情とTW推進
これからの日本の課題は高齢化社会における働き方や女性の働きやすい環境づくりの
検討が重要になってきます。
日本人の悪い癖で「なんとかなるだろう」「誰かがやってくれるだろう」「政府にまかしておけば安心」
的な考えの方が多いと考えられますが、現実はそんなに甘くはありません。
個人個人の家庭の問題は自己解決が基本です。
では先ずは現状分析です。
現在&近い将来に下記のような問題が発生してきます。
1:介護が大変で、介護者の元を離れられない。
2:介護が大変で、生活費にも苦しむので短時間でも働きたい。
3:介護が大変で、自宅から出れないので働きたくても働けない。
4:幼児を預ける保育園等が不足で、働きに出られない。
5:産後の育児が大変で家庭を抜けられない。
6:引きこもりの家族がいるため、家を空けられない。
7:嫁ぎ先が農家の為、繁忙期は会社を休んででも手伝わなくてはいけない。
8:一人で働いている方が気楽で、能率も上がる方が存在している。
9:会社へ出社すると必然的に残業する事になるが、絶対に残業はしたくない。
10:自由な時間に働きたい。自由な時間に休みたい。
(ディズニーランドやUSJには平日に行きたい)
11:スキルが必要な仕事の為、育児休暇に1年のブランクは辛いし、復帰困難
の危険が高いので、自宅でちょっと早めに復帰したい。
等です。
そこで当社は上記を解決するために2012年3月より正社員TWを開始しました。
TWというと正社員と違い、安月給でどうでもよいようなHELP的お仕事を連想
される方も多いようですが、当社はそうではありません。
下記に当社TW三人衆の中に残業無で、賞与は当然ありですが、社内でも年収上位社員が
存在しております。
TW=安月給の方程式は当社のTWにはあてはまりません。
ご理解いただいた社長・管理者の方はいち早く対応することを希望します。
そのような理由から当社はTWでのリクルートも随時受け付けております。
下記に当社TW三人衆のTWでの感想をそのまま掲載します。
ご参考に!!
<M君>
M社員_私のテレワーク(年収333万)
「経緯」
2011年9月父親の死去により名取の実家に帰る事になりました。
それまでは福島から郡山の本社へ車で1時間の通勤でしたが、名取では通勤が出来ないので、
退社を考えていました。それ以前から会社では「テレワーク」の環境を整えつつあったので「テレ
ワーク」という選択をしました。2012年3月よりテレワークを開始して、現在約3年がたちます。
現在58歳(もうすぐ59歳)、勤続25年以上のプログラマーです。
「テレワークのメリット」
①通勤時間が無い。私の場合、自宅での作業なので通勤時間=0
通勤が不可能でも会社員でOK
②比較的時間が自由になる。
これが通常、テレワークの一番の目的になるかと思います。
私の場合は比較的田舎の一軒家なので、町内連絡等が多い。
また、市役所・通院にも休暇を取らないで対応できるのは非常にありがたい。
③ちょっとした気分転換を周りを気にせずに出来る。
社内では雰囲気を壊す事もあるので出来ないような事も。
④仕事自体の効率が上がった。
落ち着いて作業できるので。但しこれはその分、社内の方が対応してくれているという事でもありますが。
⑤会社経費の削減
通勤費が不要。私の場合給料も下げたので人件費も節約。
「デメリット」
①運動不足。
通勤が無いしデスクワークなので、なるべく階段の上り下りを多く心がける、週一回ではあるが
テニススクールに通う、等で運動の機会を増やすようにしています。
②私の場合ですが、収入が減った。
但し、仕事内容等の見合いで特に不満という事ではありませんが。
「前提」
①会社とテレワーカーの信頼関係。
顔が見えないのでお互いに信頼関係が無いと続けられないと思います。
②インフラの整備。
スケジュール、仕事内容の明示化。
WEBの共有スケジューラー、日報等の整備、出来れば内線電話で連絡が取れる事。
これば私の場合ですが社内サーバーの共有、リモートユーザーサポートが可能な事。
「課題」
①通勤社員との公平感。
仕事の内容、給与等の待遇などで不公平感が無いようにする。
②評価・査定方法
成果が見えにくい仕事の場合、見えない環境に居るので評価がしにくい面があると思います。
③まだ可能な職種が限られる面が有りますが、インフラ進化によって可能になる事も有ると思います。
<T君>
T社員_私のテレワーク(年収386万)
勤続21年、テレワーク歴3年、須賀川市在住の43歳プログラマーです。
始めたばかりの頃は戸惑いもありましたが、今はテレワークという働き方にとても感謝しています。
「テレワークの良いところ」
<作業に集中できる>
社内サーバへのアクセス、内線電話等、社内にいる時と変わらない環境で、効率よく進められています。
<時間の融通が利く>
ちょっとした用事や実家の事での外出等、有給を使わず行えるのは非常に助かります。
<通勤時間が無い>
通勤時間を他の時間に充てられます。多少なりともCO2削減に貢献出来ているのではとも思います。
また交通費がかからないので、会社の経費削減に貢献出来ていると思います。
<風邪等の病気をうつす心配が無い>
無理に出社して、周囲に迷惑を掛けてしまうような心配がありません。
「悪かった点、又は問題点」
<健康面>
通勤も無くデスクワークなので、意識していないと体を動かすことが減り、運動不足になりがちです。
<その場にいない事での勘違い>
決定事項や諸連絡は、掲示板、メール、内線電話等で知る事が出来ますが、その場にいない事で
細かな部分を聞き逃し、作業に手戻り等が発生してしまう可能性があります。
その都度確認すればよい事なので、それほど大きな問題ではないかもしれません。
見えない所での作業なので、お互いの信頼がより大事になってくると思います。また、社内の負担が
増える部分をどう補うかという点も大事な要素になるかと思います。
職種にもよりますが、インフラ整備、スケジュール、日報等の連絡・報告方法等が充実すれば、働き方の
1つになると思います。
<O君>
O社員_私のテレワーク(年収496万)
「経緯」
現在37歳、勤続年数3年目のシステムエンジニア。
2012年10月に中途採用で入社し、入社当初から仙台の自宅でテレワーカーとして従事しています。
入社前には、7年ほどフリーランスとして在宅や事務所を借りて活動をしていた為、テレワーク自体は
抵抗なく始める事ができました。
「テレワークの良いところ」
・オフィス業務から開放され、自分の業務に専念できる為、効率がアップ。
→また、通勤時間も削減されるので、自分の時間をより有効に活用できるようになりました。
・家にいながら本社の環境を利用できる。
→本社とはVPNでネットワーク接続されているので、内線電話やメール、資料へのアクセス等、オフィスに
いる時とまったく同じ感覚で利用できます。これにはストレスを感じたことはありません。
「テレワークの悪いところ」
・オフィスにいる同僚とフェイス・トゥ・フェイスで話が出来ない為、お互いの状況が判りづらかったり、
微妙なニュアンスを伝えにくい。
→グループウェアでスケジュールを把握したり、日報システム等でその日の状況(成果)を伝えるのは
何気に重要だと思います。また、口頭だけで確認するのではなく、お互いに同じ資料や同じ画面で確認しあい、
意識(情報)の共有化を図っています。
・お客様との打ち上せの際、打合せスペースが確保できない。
→基本は客先で打合せを行い、遠方からの来客の場合は近くのファミレス等で打合せを行うようにしています。
・オンとオフの切替えが難しい。
→生活スペースと、仕事部屋を独立させるなどして、意識的に切り替える努力が必要です。自堕落な人には
向いていません。
「これからの課題」
・複数で作業を行う場合や会議等に参加できない場合に、広報だけでは意識(情報)の共有化が難しい場合がある。
→TV会議の導入や、議事録を徹底する事でカバーできる場合もあるので、オフィスワーカーもテレワーカーも
お互いに協力しあって意思の疎通を図っていきたいと思います。